日本語しか話せない帰国子女 ~その原因とその後の人生について~

帰国子女というと、何をイメージしますか?

英語がペラペラで、何なら日本語よりも英語のほうが得意・・・なんていう雰囲気を醸し出しながら、

ちゃっかり国語なんかもできて、そのほかの科目もできて、なぜか日本人しかいないのに時々英語で話し始めて、

とにかく優秀でスキがない。そんなイメージがある人もいると思います。

もちろんそうじゃない人も大勢いると思いますが、共通するイメージは「英語、もしくは日本語以外の言語がペラペラ」ではないでしょうか?

「そりゃそうだ、だって外国に住んでいたんだから。」

そう思う人は多いと思います。

事実、帰国子女と定義づけされるからには外国に住んでいた経験があるというのは間違いありません。

しかし、外国の居住経験がある=英語もしくは日本語以外の言語ができる、というのは必ずしも正しくありません。

日本語しか話せない帰国子女も一定数います

恥ずかしながら筆者もその一人です。

ドイツに小学校三年生から中学校卒業までの6年間居住していながら、日本語以外の言語はさっぱりです。。

会社などで「いや~、英語は全然話せないんですよ」と言うと、

「またまた謙遜しちゃって」

あるいは

「でもドイツ語はペラペラなんでしょ?」

という配慮に満ちた返答が返ってくることが多いです。

ありがとうございます。

でも、実際に英語はおろかドイツ語もさっぱりなんです。。。

では、なぜそうなってしまうのか?の原因と、日本語しか話せない帰国子女が将来どうなるのか?について、

筆者の経験を踏まえて記事にしていきます。

帰国子女なのに日本語しか話せなくなる原因

①外国の滞在期間が短い

一口に帰国子女と言っても、その海外居住歴は千差万別です。

1年未満で日本に帰国した人もいれば、生まれてこの方海外にしか住んだことがなく、大学生や社会人になってようやく日本に戻ってきました!という人までさまざまです。

1年未満だと、短期留学とほとんど変わらないレベルなので、本人の努力なくしては現地の言語はマスターしづらいでしょう。

②日本人が多いコミュニティにいた

これもよくあるパターンです。

筆者もまさにその一人なのですが、日本人が非常に多い地域に住んでおり、家の周りには日本人通りや日本食の店、果ては日本の本屋や図書館、CDショップまでありました。

もちろん日本語で食料品の買い物もできます。

そうすると日常生活ですら日本語だけで成立してしまうという状況になります。

③日本人学校に通っていた

日本語しか話せなくなる原因、、きっとこれが一番多いのではないでしょうか。

例にもれず筆者も日本人学校OBです。

特に日本人の多い地域だと、日本人学校の規模も大きく日本から派遣されている先生も多く、非常に日本に近い環境で学習できます。

むしろ、優秀な先生が多いぶん日本の公立の小中学校よりも充実した教育が日本語で享受できます。

もちろん英語、現地語(筆者の場合はドイツ語)の授業もありますが、基本は全て日本語ベースで行われますので日本語だけで十分切り抜けられます。

④乳幼児期しか外国にいなかった

これは①に近いですが、小学校入学前に帰国してしまうと、数年間滞在していても日本語しか話せなくなります。

現に筆者の歳の離れた弟がそうです。

弟は6年間ドイツにおり、幼稚園も現地の幼稚園に通っていましたが、今では綺麗さっぱりドイツ語や英語を忘れています。

言語が通じなくても何とかなってしまう年齢だからでしょうか。

同じ境遇で悩んでいる帰国子女の記事を発見したのでリンクしておきます。

「イキってる」「英語ができる」「お金持ち」…日本社会の”イメージ”に悩まされ続ける帰国子女たち | 国内 | ABEMA TIMES

日本語に加え、英語、中国語を交えて話をしているのは、帰国子女の石田翔太さん(大学2年生)。親の仕事の関係で幼少期から韓国、中国、台湾と日本を行き来し、合計12年にわたる海外生活が落ち着いたのは高校1年のときだった。 【映像】日本社会の”イメージ”に悩まされ続ける帰国子女たち …

日本語しか話せない帰国子女のその後の人生

では、筆者のように”日本語しか話せない帰国子女”は帰国後の人生をどう過ごすにでしょうか。

幸せになれるのでしょうか。

結論、、日本語しか話せない帰国子女であることは全く不利になりません

むしろ筆者のように中学校卒業までを外国で過ごし、高校から日本というパターンでは日本人学校で学ぶ日本人特有の人間関係構築の仕方、適度に空気を読むスキルが身についているので苦労しませんでした。

高校の授業も、日本人学校で習った内容で十分ついていけました。むしろ教えてくれた先生方が日本国内の選りすぐりの先生ばかりでしたので、高校1年生の期間などは中学校のとき教えていただいた知識で乗り切れたほどです。

帰国後、友人もたくさんできました。現地の小中学校に通っていたら文化の違いから、きっとこんなにスムーズには溶け込めなかったでしょう。

今では日本のいわゆる大企業で働き、グローバルな感覚も活かしながら楽しく仕事をしています。

その他にもメリット多数

日本語しか話せなくても、考え方がグローバルになる、変化を恐れなくなる(むしろ楽しむ)などメリット多数です。

帰国子女だけど英語が話せない、日本語しかわからない、と思っても決して悲観的になる必要はありません。

海外在住という大きな変化点で得た経験値をその後の人生に役立てることは必ずできます!

ぜひ海外にいた経験を昇華させ素晴らしい人生を歩んでください。

それでは、最後までお読み取りいただきありがとうございました。

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