高等専門学校(高専)に在籍している方は、4年生あるいは5年生で就職活動をされる方も多いと思います。
私自身、自社に入社希望の学生さんと話していて、高専在籍の方からよく聞かれるのが、「高専を卒業して直接大企業に入るのがいいか、それとも大学に編入して改めて就活して、大企業を目指すのがいいか?」という質問です。
ここについて、大企業の実態を踏まえ解説していきます。
※あくまで私が所属する企業の話ですので、一例として聞いて頂けたらと思います
高専卒で大企業に就職すべきかどうか
ここについて迷う学生さんは多いと思います。
高専卒で大企業に就職しようとすると、ある程度成績がいい方でないと就職できないと思います。
実際、私の会社で身の回りにいる高専卒の方を見ると、非常に優秀な方が多いです。
技術に長けているだけでなく、プロジェクト進捗管理、主要な会議体の統括など、なかなか誰でもできるわけではないスキルをお持ちの方が多いです。
逆に、絶対人数の違いこそあれ、大卒にたまにいる「ぶら下がり社員」(=仕事で成果を出さなくてもクビにならないことをいいことに、仕事に対する姿勢が消極的な人々)の、高専卒版は見たことがありません。
みなさん、ご自身のスキルを活用して前向きに一生懸命働いて成果を出していらっしゃいます。
ですが、、、なぜか昇格スピードは遅いことがほとんどです。。。
※くどいですがあくまで私がいる大企業の場合です
優秀でも係長止まりが多い、せいぜい課長までがほとんど
高専卒の方は、前述の通り非常に優秀な方が多い印象ですが、それでも一般社員からひとつ昇格した係長、あるいはその上の課長止まりの方がほとんどです。
課長まで行ける方は一部で、多くは係長止まりの印象です。
一方で、大卒や大学院卒は多くが課長以上まで昇格します。。
年齢で見ても、大卒や大学院卒が早ければ30代前半、遅くとも40歳前後には係長に昇格するのに対し、
高専卒の方は早くても30代後半で係長昇格になっています。
課長への昇格も、必然的に大卒や大学院卒と比べ遅いです。。
実際にあった例
私の会社の中で、実際にあった例をお話しします。
非常に開発に長けたAさん(高専卒)と、正直あまりアウトプットが芳しくないBさん(大学院卒)は、ともに同じ高専出身の同級生でした。当然、二人とも歳は同じです。
Aさんは高専卒業後そのまま就職、Bさんは国立大学に3年次から編入し、大学院を経て就職しました。
就職後、同じ会社の同じ部署でAさんとBさんは再会します。
Aさんは非常に能力の高い方で、人格的にも素晴らしい方でしたので、入社後しばらくはBさんもAさんに一目置きながら仕事をしていました。
しかし、、AさんBさんが30代前半になったとき、まだ入社10年未満のBさん(大学院卒)が係長に昇格。
入社10数年が経つAさん(高専卒)は、一般社員のままでした。。
その後、数年を経て、何とかAさんは係長に昇格。
しかし二人が40歳を迎えるころ、Bさんは課長に昇格、Aさんは係長のままです。
業務の能力で見ると、圧倒的にAさんが有能(課長になった頃にはBさんも実力をつけてきましたが)で、周囲の評判も良く、経験年数も長い。
でも、このように昇格に差が出ています。当然、給料にも差がつきます。。。
結論;高専卒で大企業に就職するよりも、大学に編入してから大企業に入ったほうがよい
ここまでの話を読んで頂いたらわかる通り、高専卒で大企業に就職するよりも、大学に編入してから大企業に就職したほうがよいです。
もちろん、例外もあるでしょうし、昇格が全てではありませんので、どこをキーポイントに就活するかによりますが、少なくとも昇格を一つの軸、目標に置くのならば、大学に編入したほうがいいです。
大学に編入する際の心配事項
とはいえ、大学に編入してから大企業に就職する場合の懸念事項もあると思います。
まずは、大学に編入できるか。
これは何とも言えない部分もありますが、高専から大企業に就職できるほど成績が優秀な方は、比較的偏差値の高い大学や国立大学に編入できる素地を持った方が多いと思われます。
また、高専の今の成績なら大企業に就職できるが、大学に行ったら周りの人のレベルとの差があり成績が振るわず、結果的に大企業に就職できなくなるのではないか。
この懸念に対しては、あくまで筆者の感覚ですが、私の在籍していた国立大学でも3年次編入の友人が複数いましたが、皆非常に優秀で、良い成績を修めていました。
彼ら彼女らの多くは、そのまま有名企業に入社し、今でも活躍しています。
つまり、もともと偏差値が高く、有能な方が多い高専で今現在優秀な成績を修めているなら、大学に編入しても同様に優秀な成績を修められる可能性が高いと思います。
そうすれば、学校推薦などを利用して大企業に就職しやすいですし、求人数の絶対数の多さからも、大学or大学院卒で大企業に入社するほうが容易と言えます。
まとめ;高専卒で就職する場合はしっかり企業をリサーチしましょう
ここまで述べてきたことはあくまで私の会社での実情ですが、多くの会社に共通する内容かと思います。
実際に就活する際は、ぜひ志望する企業のOBOGに話を聞く機会を設けたり、ネットをうまく活用してしっかり情報収集してください。
いずれにせよ、後悔のない就職活動を送られることを祈ってやみません。
それでは、最後までお読み取りいただきありがとうございました。